【22’サクラマス Preparation #11】如意櫻 開眼の時!
適度に多忙な時ほど、余暇の密度(充実度)が高まるという皮肉な現象を、今更ながら身に染みて感じている今日この頃(微笑)。
人間の意識って奴は、本当に不思議ですね。
平易な言葉で「気持ち次第」なんて言いますよね…。余りにも単純すぎて心に響かなくなった感もありますが、よくよく考えてみれば言い得て妙だと。
私にとっては魔の刻となる1〜2月(年怒末の気配が漂う時節)。今年もハンドメイド・アクティビティーのお陰で救われたような印象があります。
改めて、独り静かに過ごす内省の時間は大切ですね(微笑)。
如意桜 開眼の時!
もう早2月に入ったと云うのに、1月18日からの製作記録に手を付けようとしている不肖デンキチ小父。今更ながら呆れておりますよ(自嘲)。
とまぁ、こんな感じ(更新遅滞気味)の状況が続いておりますが、至って「2月の通常運転」ということでご理解を賜りつつ、此度はサクラマス用のミノー如意櫻の開眼式の作業風景を辿って参りたいと思います。
お時間の許す方は、どうぞお付き合いください。
1:仕上げ塗装と色止めを終えて
完成の時が近づいてきた如意櫻。
しかし、これから始まる2つの工程は、完成間際のブランクに傷を入れるという点において、これまでの工程とは随分と趣が異なるのです。
ここで云う「2つの工程」とは、私が開眼式と銘打ったアイの貼付けと、リップの装着を指します。
いずれも何某かの刃物を使いますよね。
アイの貼付けではポンチを、リップの装着にはカッターやリューターを使うので、そこで起こりうる失敗は、塗装の失敗如きレベルではないと(汗笑)。
※正味、塗装の失敗は何とかなる。
まぁ、今となっては緊張することは無くなりましたが、だからといって頓着なく作業を始めるのも考えもの。何事も見込みを立てないと駄目ですよね。
2:ポンチを研ぐ
前出の通り、開眼式に用いる神器として一番重要なのが「ポンチ」。神器と言う割に力が抜けた名前をしていますが、とても優秀な道具です。
そんなポンチも、一応は刃物の端くれ(笑)。故に、使っていれば切れ味が落ちてきます。※孔を開ける対象物によって消耗度は異なります。
”これまでの私”は、切れ味が落ちてきたと感じると、砥石で外側を研ぎ、内側にできたバリを筒状にしたペーパーヤスリで落として再生させてきました。
がしかし……ですよ。
手間が掛かり過ぎなんですよね…その方法では。
こうした手仕事を嗜んでいる方ならば理解して頂けると思いますが、この不肖デンキチ小父のアトリエにも、使い古しのポンチが大量に鎮座しておりまして…。
おっと、話が長くなりそうなので端折りましょう…。
早い話が、五百羅漢の如き苔むしたポンチの群れを短時間で再生させるために「皮ポンチ・シャープナー」を買い求めてきたと(笑)。
でもって、使い古された…でも処分するには惜しいΦ2〜Φ7mmまでのポンチ(40余本)で使用感を検証してみたと云うわけなのでした。
その結果「存外に良い!」と(驚)。
正直、よく考えられたツールだと感じましたね。
こんな粗目のシャープナーですが、きちんと仕上げてから指の面に当ててみたら、あっさり皮膚が切れましたよ(汗)。勿論、孔開けも問題なしでした。
現実的にはΦ3㎜から使用可能かと。※Φ2㎜も不可ではない。
特に、小径の場合はバリが取り切れない場合があるので、研いだ後に使い古しのペーパー等で試し打ちすると良いかもしれません。
とまれ、ポンチが刃物である以上、研げば研ぐほどに径が大きくなったり、形が歪んだりしてくるので、その辺は要観察ですよね。
道具ってのは、安かろうが高かろうが長く使ってやらないと成仏できないものです。なので、入手した以上は命一杯使ってやることが望ましいと思います。
3:いよいよ開眼!
そして、ようやっと開眼式を迎えると…。
此度は、たったの3本なので、時間的にも作業的にも然程ではありませんが油断は禁物。瞬間的に集中力を上げてから取り掛からないと失敗しますから。
なんて偉そーなことを書いてますけど、此度は失敗が無かったのでしょうか?
いやいや、ありましたよ(爆)。
従前の課題は解決できたものの、やはりそこは人間…。しかも、製作している人間がこのデンキチ小父ですから、手元不如意が勃発しないわけがないと。
お約束の如く、下穴に塗布した接着剤がはみ出てしまい、その痕跡が残ってしまうという…そんな小さくて大きな失敗をしております(涙)。
でもって、当然の事ながら落胆しておったと(30秒で復活!)。いやはや、完成間際のエラーはマジで痛恨の極みですな(しみじみ)。
4:トップコーティングを終えて
と云ったわけで…。
2月7日現在、トップコーティングを終えた3本の如意櫻は、各アイ周り(目じゃない方のアイ)のチェックとお掃除を済ませ養生状態に至っております。
となれば、残す工程はリップのセッティングのみ。
しかしながら、他のモデル(Itoyo-60・鋳造スプーン)が佳境を迎えているので、まずは彼らの進捗に見通しをつけたいと考えています。
なので、如意櫻の完成は2月下旬まで遅らせることになるでしょう。彼らには、養生ボックスの中で今暫く休養をとってもらおうと思います。
彼らの活躍の時は目前に迫っています。精魂込めて作った木片小魚たちが、流れの中で躍動するのを妄想しながら製作は続くのでした(微笑)。