【22’サクラマス Preparation #07】小さな変化を重ねて
週末(18日)の未明から降り出した雪で、真っ白くなった仙台の街。これが週明けの月曜日だったら……と想像したら、少しだけ心拍が上がりました。
宮城県も東北地方の端くれとは云え、純然たる雪国というわけではないせいか、雪に対する意識にはグラデーションが生じている様に思われます。
今季初積雪となった18日は、こうした意識のグラデーションを表すかの如く、早朝の時点で3件の交通事故(三陸道・東北自動車道の県内区間)が発生していました。
路面温度もマイナスでしたからね…。かく云う私も、土曜出勤のかみさんを職場まで送迎しておったのですが、早朝の路面はかなり悪かったですよ。
そんな悪状況にもかかわらず、北斜面の下り坂で車間を詰めてくる車がいるのだから驚きます。冬道の制動距離を全く考慮していないことが伺われました。
これもまた意識のグラデーションなんですよね…。冬道こそ確証バイアスを発動させぬように努めなければなりません(自戒)。
とにもかくにも、降雪(積雪)・月曜日(休み明け)・早朝時間(夕刻)の3悪条件が重なった時は要注意!ですね。十分な余裕を持って家を出たいものです。
さてと、気持ちを切り替えて本題に入って参りましょう。
お時間の許す方はお付き合いくださいませ。
小さな変化を重ねて
相変わらず牛歩の如き進捗を見せているルアー製作。
しかしながら、ここ最近は各ロットを少量化かつタイミングをずらしながら製作するようになったので、流れとしては非常に好ましい状態が続いています。
此度は、サクラマス用ミノー如意櫻(90㎜/シンキングMD)の木固めから下地作り、下地塗装までの流れを淡く備忘しておこうと思います。
1:小さな変化「木固め編」
話は時間を遡ります。
かつてシーバス用のバルサミノーを自作していた折に、木固めの方法について色々試しておったわけですが、後に渓流用のミノーを製作する様になってからは、訳あって木固めをご無沙汰していたデンキチ小父。
「訳あって〜」などと書きましたが…。
とかく岩に当たることが多い渓流用ミノーですが、そうは言っても50㎜足らずのブランクなので、木固めすることでバルサの良さをスポイルするのではないかと考え、セルロースの含侵に頼ることにしていたわけです。
まぁ…「フルセルロースってんだから、木固めもセルロでやるしかないだろ!」なんて意地にも似た思いもありましたけれど(微笑)。
今にしてみればですよ…。セルロースによる含侵も、別マテリアルによる木固めも、つまるところは「どんぐりの背比べ」なのだと思い至るわけで(笑)。
といった経緯を踏みつつ、サクラマス用のミノーをコンスタントに製作する様になった今だからこそ、改めて木固めをしてみようと考え直し、前作の如意桜やTrouper(渓流モデル)で試してみたというわけでした。
こうした試行錯誤…否、紆余曲折の中で肯定的な感想を持つに至り、此度も下地作りの初手として木固めを取り入れることに決めたのでした。
これもまたマンネリ化を回避させる「小さな変化」ですね。
といったわけで、12月8日に木固めを完了しました。
2:小さな変化「下地塗装編」
そして時は流れて12月18日。
木固め後の下地作りが終わったので、下地塗装を始めることにしました。
下地塗装と云えば、下地色の発色を良くするのと、造作による表面の凹凸をより平滑にするために、プラサフからスタートすることが多かったのですが…。
此度は、造作部分の仕上がり具合が良好(練度アップ?!)だったこともあり、此度はプラサフを挟まずに下地塗装を行うことにしました。
これもまた「小さな変化」です(微笑)。
この些細な変更により、改めてプラサフがもたらす恩恵を痛感させられましたね。後から塗布するカラーの発色(特に隠蔽力の弱いホワイト等)を考えると、やはりプラサフは有効に働いてくれるんですよね。
ともあれ、私の塗装手順だと、下地塗装で使うベースカラー(ホワイトやブラック等)に関しては一度で仕上げるわけではないので、現段階で発色が好ましい状態でなくても余り影響はありません。
よって、今後も状況に応じて判断していこうと考えています。
3:小さな変化「冬ならでは編」
ルアー製作において適期があるとすれば、やはり気温が10℃以上かつ25℃以下で、湿度が50%以下に推移する期間ということになるでしょうか。
となると…どうでしょう。
地域によっても異なりますが、私が住む宮城県仙台市であれば「4月中旬から入梅前」と「10月から初雪前」といった感じになるのかなぁ…。
昨今の苛烈な気象状況から、単純に「春&秋」と断じることができないのが悲しいところですな(笑)。
ところが、ルアー製作の適期は、釣りの盛期にも重なり、かつ我が本業にとっても適期ですので、必ずしも作業が捗るというわけではありません(悲報)。
なので…あえてそれ以外の季節でルアー製作の適期を見い出すとすれば、酷暑の真夏よりは寒い冬の方が、主体的に温湿度を制御しやすいので、製作に適した季節と言えるでしょう。(あくまでも私的見解)
でもって、より具体的なメリットを挙げるとすれば、短時間で塗り重ねしたい時の塗装面の乾燥に困らないというところになるでしょうか。
ってか、単に電気ストーブが使えるって話なんですけども(呆笑)。
一般的に、こういう場面(短時間で重ね塗りしたい時)に際しては、季節を問わずヘア・ドライヤーを使って乾燥させる方も少なくないでしょう。
一方、ドライヤーの風が災いして、塗装面に埃が付着して往生した経験のある私は、その苦い経験を境にドライヤーを使わなくなりました(アルアル)。
その点、電気ストーブは安心です。
なので、アトリエに電気ストーブ(輻射熱のオイルストーブなど)が登場する冬は、室内の湿度を低減させてくれるし、前出の様に塗装工程に場面で利に働くこともあるので、夏季より作業しやすいと感じているのでした(微笑)。
4:年の瀬を前に
こんな感じでチマチマと作業を続けております。
そうこうしている内に、年の瀬まで2週間を切りましたね。
となれば、毎年の恒例行事「大掃除」を予定しないと!
この大事な習慣ばかりは、軽率に「変化」を与えるわけにはいきませんね。何しろ「今年の汚れは、今年の内に」ですから(笑)。
冬空の虹
去る12月16日 早朝の話。
仙台市北部に隣接する黒川郡大和町の建設現場に向かう途中、それは大きな虹を北の空に確認しました。
折しも、冬型の気圧配置が強まりだした頃合いでしたから、虹がかかるのに何ら不思議はなかったのですが、現地へ向かっている間、車窓からずっと虹が見え続けていたのには驚きました。
そもそも、虹って幾つかの気象条件が整わないと発現しませんし(太陽も動くし)、加えて虹を見ている側も移動していたわけですから…。
そもそも、虹ってどのくらい見え続けるものなのかなぁ?
現場についてからは、建物の内外を慌ただしく動き回っておりましたが、最後に屋根周りの施工状況を確認するため仮設足場を昇ることにしました。
足場の最上段(新築3階建て)からは、七ツ森(笹倉山・松倉山・撫倉山・大倉山・蜂倉山・鎌倉山・遂倉山+たがら山)の山並みが見えました。
霧氷を帯びた山肌が、荒天の合間から射す陽に照らされて綺麗でしたね。
そして、北方向に目を移すと…。
まだ虹がかかっていました(微笑)。往路で虹を確認してから、既に1時間以上経過していましたからね…。
確かに荒天とは言え、足場の上でも風を強く感じなかったくらいですから、北方面の気象条件が保たれていたのかもしれません。
ともあれ、朝に確認した虹と同じ虹とは思えないので、大仰に語るつもりはありませんが、こんな些細な出来事であっても、師走の忙しいリズムを穏やかに変えてくれることもある……なんていう他愛もないお話でした。
お後が宜しいようです(低頭)。