【22’サクラマス Preparation #06】次の一手
もう早、一カ月足らずで混迷の2021年も終わりますね。
振り返るにはまだ早いような気もしますが、ここ1,2週間の家族の様子や自身の行動を切り取っただけでも色々とあったなぁ…なんて(苦笑)。
抽象的な表現になりますが、成長していく人間と老いていく人間のコントラストを強く感じる場面が多かった様に感じています。
師走という時節も相まって、感慨深いものがありますね。
此度は、そんな感慨も含めて綴ってみました。お時間の許す方は、ゆるりとした心持ちでご一読賜れれば幸いです(低頭)。
53歳の初体験
冒頭に記したコントラストに繋がる話をひとつ。
去る11月末に、人生初のMRIを体験して参りました。
精密機器然とした佇まいを見せるMRIでしたが、検査を開始するや否や、まるで鉄骨造の現場にいるような気分にさせる騒音を奏でてきました。
検査の間(15分程)、激しい機械音・金属音・電子音が頭部の周辺で鳴り続けるわけですからね…。騒音+身動き不能は、余りにも非日常的でした(笑)。
医師・看護師さんのインフォームドコンセントが仔細に渡っていたというのも合点がいくというものです。
とまぁ、そんなこんなのMRI初体験でしたが、検査結果は頗る良好で、懸念していた血栓や出血部位は全くありませんでした(喜々)。
さわさりながら、色々と考えさせられましたね…。
此度の検査に至った我が身の不調と医師の見解の双方を照らし合わせると、根本的な原因が「目」にあると思われ、そこから慢性的な首・肩の凝りに繋がり、更に私の癖でもある「呼吸の浅さ」(特に集中している時や息む時)が加味されると、頭蓋圧が上昇して頭痛を引き起こすというメカニズムが想定されました(私的見解)。
まぁ、歳も歳ですから……。今後は改善できる部分を見い出しつつ、自身の体と向き合う時間をこれまで以上に増やそうと思いましたよ。
車の運転中に脳出血やくも膜下出血で交通事故を引き起こす…なんて事になったら、申し訳ないでは済まされませんからねぇ(自戒)。
自らが起こしたトラブルに他人様を巻き込む必要は皆無です。(別な表現をすれば、自ら率先して晩節を汚す必要はないと。)
人間は都合よく死ぬことができない存在でもあります。
少しでも家族や友人知己(タイミングに因っては仕事関係諸氏)に迷惑を掛けないで死ねる(影響を最小限・短期間化)に越したことはありません。
そのためにも「生と死の狭間に存在する朧げな存在」の一員として、幾許かでも「自身の願いに沿った死」への可能性を高めるように努めたいものです。
さてと、十八番の「長い前置き」は此処までにして、本編に入って参りましょう。
次なる一手
ルアーは、使ってみるまで分からない道具ですよね。
特に、個性という名の灰汁が強いハンドメイドミノーは、そうした傾向が色濃く出やすいアイテムのように思われます(微笑)。
勿論、ファースト・インプレッションは判断材料(特に生理的な面で)になりますが、同時に可能性を狭めてしまう危険性も内包しています。
そのような訳で、平素から気分屋を標榜する不肖デンキチ小父ではありますが、来季の戦力の拡充を目指し、次なる一手を真剣に考えるに至ったと。
…とまぁ、そんなところから物語が始まります。
1:残る3本のリップ装着
先頃、リップを装着した如意桜(90㎜/シンキングMD)の2種(重:13g/軽:11g)をスイムテストした結果、軽いモデルに光明を見い出しました。
しかしながら、自宅の浴槽を使った簡便的なテストですから、何ら精度の高い判断材料が得られたわけでは無いんですよね…。
あくまでも、同条件下における明確な差異「立ち上がりの早さ」のみを以て「軽いモデル優位」という判断を下したというわけです。
とは云えですよ……。
冒頭で記した通り、実際のロケーションで試してみない事には、バランスもキャストフィールも飛距離も泳ぎも引き抵抗も分かりませんからねぇ。
なんて愁傷なことを綴っておりますが、実際には経験則からある程度の判断がつくはずなのです。ただ、自作しているという手前、最後まで可能性を捨てきれないという親心的な心理が働いてしまうのですね(呆笑)。
と云うことで、過日(11月24日)に、未完状態の軽いモデル(1本)だけではなく、NG(仮)を出した重いモデル(2本)にもリップを装着しておくことにしました。
まぁ、使えないことは無いだろうし……。
心の声:追波川の流れに浸けたなら、浴槽テストでは確認できなかった特性を発揮するやもしれないし、飛距離では明らかに重いモデルの方が秀でているはず。
なんて製作者ならではの都合の良い解釈をしております。
2:次なる一手は?
とまぁ、一応の区切りがついたところで、次なる一手を考えなくてはなりません。何しろ、軽いモデルはたったの2本(2カラー)しかありませんので。
と云うことで、如意櫻の軽いモデルを補充(3本のみ)すべく、月が替わった12月1日から製作を開始しました。
となれば、手始めは内部構造線の製作です。
補充は3本と決めたので時間は掛かりません。
所定の形状に曲げたら、各端部をロウ付けして完了です。この位の数量だと回転が速いし、精度も出しやすいので、精神衛生上好ましいですね(笑)。
3:ブランクを組む
さすれば、お次はブランクを組む工程です。
ブランクは、引き籠り状態に陥っていた昨年の梅雨時期に切り出していた物(下リンク先を参照)なので、直ぐに組むことができました。
首尾が整っているとストレスが生じません。作ろうと決めてから1時間足らずでブランク組みまで終わるので(笑)。
能力の限界(背伸び)に肉薄するような機会も必要ですが、時には余裕を感じながら製作するのも悪くありませんな(本音の本音)。
4:大切な物を失くした男
なんて余裕をぶっこいていたら、早速登場しましたよ…。
想定外のトラブルという奴が(苦笑)。
ブランクを組み終わって、頭部の下線を描こうと思ったら、何よりも大切なテンプレートが紛失していたことが発覚したのです。
アトリエ内を徹底的に探査する事も考えましたが、その時間が勿体なかったので、これを機会にテンプレートを作り直すことにしました。
もっとも、何れのモデルにあっても、初期的なデッサンから記録しているので、テンプレートを再生するのに困ることはありません。
この手の部類の作業は、記憶より記録に頼らざる得ない場面が多いので、平素より記録しておくことの重要さを痛感させられますね。
ブランクの加工のみならず、あらゆる工程で頼りにすることが多いテンプレートですから、今回ばかりは保管の方法を含めて見直そうと思いました。
5:ブランクの加工
そして12月4日から加工を開始しました。
となれば、やることは決まってます。
ただひたすらに手を動かしていくのみ。手元不如意が頻発する我が手指ではありますが、ここは自らの手の感覚・動きに委ねるだけです(笑)。
荒加工が終わったら、顔の造作をする前に胴体部分にのみ軽くヤスリを当てておきます。その後、目の配置を確定させて下線を描いたら、再度集中力を高めると…。
そして、片側の造作を終える度に深呼吸。
深呼吸?!
そうです、前段の話に繋がるんですよ(苦笑)。
前出の通り、慢性的な寝不足と眼精疲労に加えて、集中している間に呼吸が浅くなる傾向があるので、件の頭痛が勃発してしまうというわけです。
まぁ、老眼が著しくなってから使いだした拡大鏡の影響もあるのでしょう。目の焦点を頻繁に変えることになるので、目の疲れが尋常じゃないんですよね。
さぞかし脳みそも大変だろうと(苦笑)。
とまれ、加齢や不摂生に起因する体調の変化は、慣れのみで解決するとは思えませんが、四苦八苦しながらも継続していくことが大切なのでしょう。
その過程の中で、様々なアプローチを以て症状を緩和させていかないと、人生の愉しみを放棄してしまうことになりかねません。
修練の道程の険しさをつくづく痛感しているところです。
そんな感慨に耽る師走の夕暮れでした(微笑)。