デンキチの木片小魚物語3

Sprout Lures の製作記録と喜怒哀楽日記

ウロコ からの ペイントアイ【渓流用ミノー/Trouper】

 備忘すべき作業録が溜まってきました。

 もう早、師走の気配すら感じさせる11月に入ったというのに、10月初旬以降の製作記録には「穴」ばかりが目立ちます(汗)。

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 まぁ、どんな人間であれ、己の興味に従がって考えを巡らし、そして手を動かせば感情に何某かの動き変化が生じるというもの……。

 その時々で、胸中に沸き上がった感情の断片忘却の彼方へ飛び去ってしまう前に、そそくさと文字変換しておこうと思います(微笑)。

 という事で、去る10月9日以降の作業風景反芻していきましょうか。此度の主役は、渓流ミノー/Trouper(トルーパー)です。

 お時間の許す方はどうかお付き合い下さいませ。

 

ウロコ からの ペイントアイ

 「釣果に大きく寄与しない装飾」代表格

 …と云えば、繊細なウロコ表現や、古典的表現ペイントアイといった装飾要素の強い表現を挙げる方がいても何ら不思議はありません。

 かく云うデンキチ小父も、実釣性能のアップというよりは「作り手のマスターベーションだと捉えて黙々と作業しております(微笑)。

 ※あくまでも製作者の立場からの物言いですのでご勘弁を。

1:ウロコ塗装の一里塚

 そもそも「技術」と名がつく行為・対象の多くは、幅が広くて奥行きが深いから、一朝一夕習得できるものではありませんよね(しみじみ)。

 ルアー製作に限らず、スポーツ楽器演奏語学習得でも何でもそうですが、未知への挑戦(まだ身につけていない技術の獲得)に際しては、中長期的な視座を持ちながら、部分的かつ全体的技術を底上げしていくことが望まれるものです。

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 だからという訳ではないのですが、歳五十を過ぎた今も「焦点を自在に変えられる力」必要なのだと、日々痛感させられています。

 言い換えれば、目の前の一木凝視する(木を見て森を見ず)ことのみならず、広大な森全体をも俯瞰して眺めることができる力だいうことです。

 こうした力を、私自身は「虫の目・鳥の目」と呼んでおりますが…。

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 かく云う、デンキチ小父とて凡百の中の一人

 手仕事を嗜む人間として、個々の技術向上を目指しつつも、部分と全体のバランスを意識しながら取り組んできたと自負しております…。

 …がしかし、その習得の道程で常に感じてきたのは「頭に描いているイメージと現実との著しい乖離でした(苦笑)。

 それは正に「悶絶と逡巡の歴史」だと言えましょう。

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 なんか本題に関係ない話に思われるやもしれませんが…。

 早い話が、ようやく50㎜以下の渓流用ミノーにアジャストするウロコ塗装「少しは様になってきた。」と云うことだったりします(爆)。

2:久しぶりのペイントアイ

 そんなこんなで、10月9日ウロコを塗装し終えてから数日後の同月12日に、ペイントアイの土台となるイエロー押印しました。

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 このペイントアイという技法も、ルアー製作全体から見れば限定的な技術に過ぎませんが、一度ルアー本体に押印したが最後、そのルアー雰囲気や個性を決定付けるパワーがあるので、テキトーな気持ちでは取り組めません(笑)。

 何しろ、ペイントアイ仕上がり良く押印できたとて、その後の色止め不完全であれば、速攻で色流れしますからね…。(塗料が厚く載るので流れやすい)

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 とまぁ、個々の工程にのみ注視する(捕らわれる)のではなく、「部分」と「全体」を満遍なく眺められるが求められるということでしょうか(自戒)。

 こうした力を身に付けるには、自身の性格・気質からくる失敗の傾向を掴んでおくべきでしょうね…って、何気にこれが一番大事だったりして(笑)。

3:先達への想い

 ペイントアイというユーモラスな表現

 そして、ウロコという繊細な表現

 何れも、釣果に直結することの無い装飾だけど…。

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 ルアーという釣具の中に「表現」という可能性を見い出し、こうした技巧数多の後進提示してくれた先達の存在」感謝するばかりです(低頭)。

 こうした「先達からの賜り物」を活かしながら、自分にアジャストした方法独自の技法を見い出していこうと改めて考えています(微笑)。