21’ Winter Collection【掌の中で育まれた木片小魚たち+親子コラボ作品】
あっという間に「年の瀬」の声が聞こえてきましたね。
かように心忙しいタイミングではありますが、数年来から恒例となっている私的コレクションをアップできる仕儀とあいなりました(安堵)。
しかし何ですなぁ…。よくよく考えてみれば、今年は「秋コレ」をすっぽかしていますからね(夏期のルアー製作を控えたせい)。
これで「冬コレ」まで飛ばしていたら……(切腹)。
有言実行にせよ、不言実行にせよ、自ら心に決めた物事を遂行・継続することの難しさを、この歳になっても痛感させられております…はい。
とまぁ、反省と思しき戯言はここまでにして、本編に移行して参りましょう。お時間の許す方は、どうかお付き合いくださいませ。
1:For Onocorhynchus masou
A:如意櫻(にょいざくら)
昨シーズン、シンキングミノーとして誕生した如意櫻は、本作よりMDタイプのシンキングミノーへと変身することになりました。
この変更に合わせて、HeavyとLightの2種類を試作しました。なお、釣り座での分別に困らないように、バックの模様(鱗模様とランダム)を変えています。
・Heavy Type
Spec(Heavy)
- Length:90㎜
- weight:≒13g
- Type:Sinking
- Action:W&R
- Collar:PHCP(上)・Orange crown(下)
・Light Type
Spec(Light)
- Length:90㎜
- weight:≒11g
- Type:Sinking
- Action:W(ワイド)&R
- Collar:Chart Red(上)・Double orange(下)
カラーは、扱いが不得手なクリア・チャート系に挑戦しました。ようやく感触が掴めてきたので、次回作では成長の程を見せられたら幸いです。
去る記事(過去記事はこちら!)にも綴った通り、現況は軽いモデルの方に期待を寄せていますが……拙速な断定は止めておきましょう(微笑)。
合否の程は、追波川の産湯に浸けるまでのお楽しみですね。
2:For Stream
久しぶりに手掛けた渓流用ミノー Trouper 。主たるスペックは前作を踏襲したものの、仕上げの面ではささやかなお遊びをしてみました。
A:Trouper.TM
まずは、カラーネーム「緑虫」から。
この「緑虫」は、アルミの鱗模様を変えてます。こうしたクラッシカルな模様も悪くないですね(笑)。かえって新鮮な印象を受けました。
それから、バックの木肌を見せるような塗装をしてみました。これも久しく行っていなかった仕上げ方だったので、塗装していて楽しかったですね。
こういう小さな変化もたまには良いのかも(微笑)。
Spec
- Length:45㎜
- weight:≒3.4g
- Type:Sinking
- Action:W&R
- Collar:緑虫(上)/銀二(下)
そしてお次は、カラーネーム「銀二」。
このシンプルな「銀二」は、従前通りの鱗模様(アルミ)に鱗塗装(バック)を施したものですが、これで見た目以上に挑戦しておりまして…。
実は、バックの鱗塗装に用いるマスキングを変えております。
かなり細かいです(汗笑)。
お世辞にも「完璧!」などとは言えたものではありませんが、これまでのトレーニングで、かなり習熟度が上がりました。
最後になりますが、本作 Trouper には最も大きな変更点があります。
それは、ペイント・アイにしたこと(笑)。
今回の結果に気を良くして、今後も渓流用ミノーのアイは、全てペイント・アイ仕様にしようと考えております。
3:オピネル改 + レザーシース
次男坊との初コラボ作品がようやく完成しました。
コラボレーションと云っても、親父(私)がレザーシースに関わった(口出し)のは最初の型作りのみ。後の工程は「野となれ山となれ」でして(笑)。
そんな親父の担当は、オピネル№9の木製ハンドルを鹿角に挿げ替えのみ。随分と楽をさせて頂きましたよ。
※この鹿角は、北海道のSLFAメンバーゆきひろさんが贈って下さったものです。この辺の経緯は、拙ブログのカテゴリー「手仕事の愉しみ(下リンク先)」をご覧になって頂ければ幸いです。
シースのデザインに関しては、概ね次男坊に一任しましたが、少ない機会に様々なテクニックを学んで欲しいという親の欲目が出てしまい、初心者にとっては難易度の高い与条件を幾つか提示してしまいました。
※難易度が高い与条件:より立体的な作品にすること。R部分でレザーを重ねて補強(接着+縫製)すること。レザーのトコ面を表側に露出させない…等。
ともすれば親よりも多忙な高校生活。故に、十分な猶予を確保するため、彼の夏休みに合わせて作業をスタートさせたわけですが、想像以上に捗らなかった様子。
予算・資材等の不足や時間的制約の影響は想定内。となれば、現段階でボトルネックになっているのは、明らかに実体験が足りないことなのです。
こうした個別の用途に特化したツールやアイテムを作るためには、実際に自分が「それを使う場面」を経験しないと厳しいのですね。
それも親として伝えたかったことのひとつでした。
きっと次男坊は、これまでの人生で馴染みのなかった物を作り上げる難しさ(ともすれば不安)を、嫌というほど痛感していたことでしょう。
デザインは勿論のこと、パーツの選択やバランス、縫い目のピッチの適化については改善の余地があるものの、裁断やコバ面の仕上げには好感を持ちました。
繊細さは親父以上です(微笑)。
さてと…もっとオピネル№9改について綴るつもりでおりましたが、次男坊が経験したであろう「産みの苦しみ」を前にして親父の贅言は無用ですな。
ここらで筆を置いた方が良さそうです(微笑)。
4:21’ 冬コレ雑感
苦渋のコロナ渦2年目を終えようとする今この時。
自身の成果と思しき作品群を紹介させていただく事で得られる回顧と自省の時は、この後の充実に繋がるものと信じて疑いません。
然るに、ルターの名言「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日私は、リンゴの木を植える。」の気概を胸に、来る新春を迎えようと思います。
ご一読、有難うございました(低頭)。