デンキチの木片小魚物語3

Sprout Lures の製作記録と喜怒哀楽日記

【鹿角 悶絶遊戯#02】オピネルをバラす

 去る台風8号宮城県上陸

 なんでも7月の宮城県上陸は、統計史上初だとか。

 にしても、極端な進路変更には驚かされました。まるでオリンピック会場直撃しないように進路「北」へ変えましたから…。

 まるで「意思を持っている」みたいですね。

 曰く難い「人間臭さ」を感じさせた台風8号ですが…。ハリケーンや台風に命名するという慣習シンパシーを覚えた次第です(微笑)。 

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 かように気まぐれな台風8号「ニパルタックでしたが、猛威を振るうタイプの台風というよりもむしろ、梅雨に逆戻りした程度の風雨で通過していきました。

 早くから運休を宣言していた公共交通機関も、肩透かしを食らった格好になりましたが、昨今の豪雨被害(河川氾濫・土砂災害等々)を鑑みれば、危機意識の深度を増しておくに限りますからね(しみじみ)。

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 県内の一部市町村では避難所が開設されていましたし、早目に避難体制をとろうとする高齢者も少なくなかったと聞きますから、ある意味「リアリティーの高い避難訓練ができたのではないかと思います。

 とかく「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と云うのが一番拙いですからね。教訓は生かさなければ全く意味がありません。 

 それににしてもですよ…。

 日本近海の海水温気象庁:海面水温に関する診断表・データ)を鑑みれば、早期から台風頻発するというのも頷けるというものです。

 かといって、台風の初夏+秋のダブル攻撃更なる定番になるとすれば、それはそれで頂けませんなぁ。正に くわばら くわばら ですね(困惑)。 

オピネルをバラス

 手頃なナイフ代表格と云えば、オピネルが挙げられますよね。

 スイスアーミーナイフ(五徳ナイフ)も古くから知られた存在ですが、所謂サバイバル的要素の低いアウトドア・アクティビティにおいては、ナイフの機能に特化したオピネルを所望する方が少なくないと思われます。

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 また、オピネルは全国各地のアウトドア・ショップで容易に購入できますし、手頃な値段豊富なラインナップ(サイズやブレードの素材)が用意されているので、ビギナーは勿論、エキップにとっても「使い勝手が良いナイフ」だと言えるでしょうね。

 ※ブレードが研ぎ難いという指摘もありますが…。

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 かく云う私も「人生初のナイフ」こそアーミー・ナイフでしたが、フリークライミングの様に「もよりのキャンプ場を拠点にまとまった期間を過ごすようなケース」が増えていく中で、炭素鋼ブレードオピネル№9を使い始めました。

 炭素鋼ブレードって、薄くて切れるんですよね…。

 放っておくと錆びるけど(笑)。

 という事で、この「オピネルのナイフ」「鹿角 悶絶遊戯」関わりについて綴って参りますので、お時間のある方はお付き合い下さいませ(微笑)。

1:久しぶりにオピネルのナイフを触る 

 此度、久しぶりに触れた新品のオピネル№9

 ブレード炭素鋼ではなくステンレス(Inox:12C27)にしたのは、前出の通り「錆び」が心配だったからです。 

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 №9は、私自身も長らく愛用してきました。その上で感じているのは、オピネルのラインナップの中では1,2を争うマルチ・プレーヤーだということです。

 持ち運び(※サイズ的には銃刀法第22条違反になる)に優れているのは勿論、野外で行う調理にも適しているので、オピネルのナイフを一本忍ばせておくとすれば№8〜10あたりが相応しいでしょうね。  

2:さてと バラそうか

  という事で、さっそくバラして参りましょう!

「ナイフをバラす!」となれば、まずはブレードの養生ですね。これは、ブレードを傷付けないようにするというよりもむしろ「自身の安全」ですね(微笑)。 

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 お次は「ヴィロ・ブロック」を外します。

 このヴィロ・ブロックは、№6から装着しているロータリー式のロック機構で、オピネルのナイフを象徴する機構になっています。  

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 ここで躓く方もいるですが、これは意外に簡単です。

 一番適しているのは、逆開きのペンチ(スナップリングペンチ等)だと思いますが、私の場合は小型のヤットコ代用しています。  

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3:バラしの核心部は?

 さて、少しだけ話が脱線しますが、「オピネルのナイフをバラす人間のモチベーション」を挙げるとすれば、大概はこんな感じになるでしょうか…。

 1・ブレードを丹念に研ぎたい。

 2・ハンドル(柄)をオリジナルにしたい。

 3・炭素鋼ブレードを黒錆び加工したい。

 4・ブレードの開閉をスムーズにしたい。

 等々が挙げられると思います。

 因みに、此度の私のモチベーション「2」です。

 これで「鹿角との関り」判明しましたね(笑)。

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 で…ですよ。

 そもそも、前出の様なモチベーションを心に秘めている段階で、ビギナーから一枚も二枚も脱皮しているユーザーであるに違いないわけですよね(微笑)。

 そんな挑戦心と好奇心が旺盛な彼ら躓いてしまう工程があるとすれば、それは「ピン抜き」でしょう。ブレードハンドルを繋ぐピンを抜く工程なのですが、これが存外に手強いんですよね(汗笑)。 

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 このピン、明らかに以前よりも抜けにくくなっていましたね。

 オピネル社の方でも諸問題(事故やクレーム※そもそも分解は推奨していない)への対策として色々と考えていると聞いていますが、どうなんでしょうね…。

 チューン”やる人間”は、どうあっても”やる”ので(笑)。 

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 このピンの抜き方端的に表現すればですよ…。

 Point & Power!

 所謂「要領を以て力まかせ」です(爆)。

 といっても、最低限の要領は必要でしょうね…。

 1・ヤスリでカシメを削る。

 2・ナイフを固定する台を使う。

 3・穴よりも細い径の棒鋼を使って叩き出す。

 は、カシメの小さい方の頭確実に削り落とすということです。加えて、叩き出すエネルギーが逃げないように工夫した方が良いでしょう。

 因みに、カシメを削れたとしても、穴とピンの径がアジャストしており、非常にキツイ状態になっているので、容易には抜けないと思います(悲報)。

 こればかりは、要領そして根気ですね。

 因みに、この難敵「ピン抜き」断念した方の多くは、ピンそのものやハンドル自体を壊してしまうみたいですね。 

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 まぁ、オリジナルのハンドルを作ろうとしている方は壊しても問題ないと思うのですが、私はハンドルの各部位を計測したいので木部を壊すことはしません。

 ※金属パーツの方で測ればよいという方もいらっしゃると思いますが、金属パーツは小さめに作ってあるので、木部側で計測した方が無難だと思います。

4:悶絶遊戯の続きは?

 而して「鹿角 悶絶遊戯」は、斯様な経過を辿っておりました。

 あろうことか、本稿の中で脈絡もなく「オピネルのナイフ」「鹿角 悶絶遊戯」関わりについてサラッと答え合わせをしてしまいましたね(汗笑)。

 「お後の楽しみ感」が薄れてしまったかもしれませんが、ハンドメイドに通底する物語という文脈的にはアリということでご了承下さいませ。

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 で、ですね、この物語の顛末ですが…。

 8月2日現在「一応の形」にはなっています。

 けれど、夏休み〜冬休みの期間を使ってレザークラフト担当の次男坊とのコラボレーション(シースの製作)を考えているので、本品の全貌が明らかとなるのは、今暫く先のことになると思います。

 (※当人、夏休み返上で授業や合宿があり、思うように段取り&作業が進んでおりませんので、あしからず(涙)。)

 といった訳で、鹿角採取功労者ユッキーさんへ本品をお贈りするのは、の時節になりそうです(激遅&低頭)。

 ともあれ、鹿角を加工している様子だけは近いうちにアップしたいと考えておりますので、興味のある方は(期待せずに)今暫くお待ちくださいね(微笑)。